大腰筋(だいようきん)の機能解剖学
- 大腰筋(だいようきん)の概要
- 大腰筋(だいようきん)の起始と停止
- 大腰筋(だいようきん)の作用
大腰筋(だいようきん)の概要
大腰筋(だいようきん)は、お腹の奥に存在するインナーマッスルです。
大腰筋は、背骨と、太ももの骨をつないでいる筋肉です。

小腰筋(しょうようきん)や、腸骨筋(ちょうこつきん)と、一緒になって働くことから、
腸腰筋(ちょうようきん)とも言われます。

大腰筋(だいようきん)の起始と停止
大腰筋は、前部線維と、後部線維に分けられます。それぞれ、起始部が異なってきます。

大腰筋前部線維の起始部
第12胸椎から、第4腰椎の椎体、および、椎間板の側面

大腰筋後部線維起始部
第1から第5腰椎の横突起

大腰筋の停止部(前部線維、後部線維とも共通)
大腿骨の小転子

大腰筋(だいようきん)の作用
大腰筋の基本的な働きは、主に股関節と腰椎に作用します。
大腰筋の基本的な作用▼
股関節の屈曲、外旋
腰椎の側屈(左右の大腰筋のうち片側のみ収縮した場合)
腰椎の伸展(左右両側が収縮した場合)
その中で、大腰筋は前部線維と、後部線維で働きが異なります。
大腰筋前部線維→股関節の屈曲と腰椎の側屈
大腰筋後部線維→腰椎が前湾曲位にあるときに、腰椎を伸展、側屈させる
大腰筋(だいようきん)の役割
大腰筋は、背骨と太ももの骨をつないでおり、上半身と下半身をつなぐ、唯一の筋肉です。
そのため、体の中で、数多くの役割を担っています。
・骨盤の傾きを調整して正しい姿勢を保つ
・腰椎の安定性を、高めることで腰痛を改善、予防する(後部線維)
・太ももを持ち上げる動作がスムーズになり、転倒を予防する
・適度な歩幅を確保することでスムーズな歩行を行う
・スクワットでは腰椎の前湾を維持する