【衝撃的な事実】適切な筋トレは柔軟な体づくりに役立つ

柔軟性の向上と言えば、ストレッチというのは一般的なイメージです。

教科書的にも柔軟性を向上するためにはストレッチ(特に静的ストレッチのように時間をかけて伸ばすストレッチ)が有効とされています。

関連記事:柔軟性を高めるために必要なストレッチの実施時間と強度、実施頻度について解説します。

ストレッチは体を柔軟にしてくれる一方で、

筋トレをすると、体が硬くなるというイメージを持たれている人も少なくないのではないでしょうか。

確かに、ストレッチでは筋肉を伸ばす動作がメインであるのに対して

筋トレは、筋肉が力を発揮するために、ぎゅーっと縮んで硬くなるので、

そのようなイメージがあるかもしれません。

さらに、筋トレをした筋肉は疲労物質がたまり、

パンパンに膨れ上がるので、そのようなイメージが先行していると思われます。

あるいは、筋肉痛で体が動かしにくいなど、そのような体に起こる変化を理由に、

筋トレ=体が硬くなり柔軟性が低下するというようなイメージがもたれやすいのかもしれません。

私も、このメタ分析の結果を知るまではそのように考えていました。

しかし、どうやら事実は異なる可能性が、近年の研究で明らかになってきています。

柔軟な体づくりにはストレッチは必要ない?

今回はストレングストレーニング、いわゆる筋トレを実施することが体の柔軟性を向上させるという

可能性を言及したメタ分析をもとに、

筋トレがストレッチに代わる柔軟性向上の手段となる可能性をお伝えします。

参考にした文献は、

2021年にAfonsoらによって発表されたメタ分析です。

結論としては、

参考:Strength training is as effective as stretching for improving range of motion: A systematic review and meta-analysis.

このメタ分析の結果では、高齢男性を対象に行われ、

かつ日常的な運動習慣がない人に絞って行われています。

そのため、すでに運動習慣のある人、

そしてこれから紹介する筋トレをすでに実践されている人にとっては

また結果が異なる可能性も出てきます。

その点を踏まえた上でお伝えします。

まずは、今回のメタ分析の研究デザインです。

研究デザインを知ることで、ご自分の筋トレ、または指導者の人ならクライアントへのセッションに応用することができるようになると思います。

今回参考にしているメタ分析では、非活動的な高齢者を対象におこなわれました。

グループ分けとしては、全部で3つ。運動強度別に分けられました。

  • 低強度(~47%1RM)
  • 中強度(~63%1RM)
  • 高強度(~83%1RM

そして、週に3回のペース、

全身の筋力トレーニングを行い、

合計で24週間実施されました。

トレーニングは筋トレマシンを用いて、以下の8種類を行っています。

  • チェストプレス
  • レッグプレス
  • ショルダープレス
  • レッグカール
  • ラットプルダウン
  • レグエクステンション
  • アームカール
  • トライセプスエクステンション

なお、柔軟性向上を目的としたストレッチの実施は行っていません。

そして、柔軟性の評価としては、

体幹の伸展、肩伸展、股関節屈曲、股関節伸展、ひざ屈曲

それぞれの可動域の変化が対象です。

再評価は、24週間のトレーニング期間を終えた後、

そして、24週間のデイトレーニング期間(トレーニングを全くしない期間)を終えた後

に実施されています。

結果としては、24週間後、

すべてのグループで柔軟性の向上(可動域の改善)がみられました。

中でも中強度(~63%1RM)の強度で行ったグループが最も優れた柔軟性の改善を認めました。

▼Afonsoら.2021より

ただし、股関節の屈曲のみ、変化がみられませんでした。

この理由としては股関節の屈曲を十分に伴うエクササイズが不足していたと著者らは述べています。

柔軟性を改善するための筋トレの条件

では、柔軟性を改善するためには、

どのような筋トレを、どんな強度で行うと効果的なのでしょうか。

柔軟性を改善するためには次の4つを意識した筋トレが効果的です。

  • ①可動域いっぱいに動作を行うこと(フルレンジ)
  • ②中強度程度の負荷(60%1RM~80%1RM)の負荷で行うこと
  • ③柔軟性を向上させたい方向への動きを取り入れていること
  • ④週に3回のペースで継続すること

とくに重要なことは、可動域いっぱいに動作を行うことです。

可動域いっぱいに動作を行うことは、筋力、筋肥大の効果を高める為にも大切な条件です。

【柔軟性を改善する筋トレ①】:可動域いっぱいに動作を行うこと(フルレンジ)

今回のメタ分析では、可動域いっぱいに動作を行うことで、

主動筋と拮抗筋も可動域いっぱいまで働くことが筋トレが柔軟性の改善に重要だと述べられています。

筋トレの王道とも言われる、フルレンジで動作を行うことは、

筋力、筋肥大の向上だけではなく、柔軟性の改善に有効であるということですね。

例えば、スクワットならフルスクワット、ベンチプレスならバーベルが胸につくまで下ろすことを心がけることで

筋肉、関節、腱や靭帯などの結合組織の柔軟性に影響を及ぼすことができるということになります。

【柔軟性を改善する筋トレ②】:中強度程度の負荷(60%1RM~80%1RM)の負荷で行うこと

続いては、トレーニングの強度です。メタ分析で示されているのは、すべての強度において、柔軟性の改善がみられました。

中でも最も柔軟性の改善に効果が高いと示されたのは、

中程度の強度(60~80%1RM)の負荷でトレーニングを実施していたグループでした。

ちなみに、80%1RM以上の高強度で実施した場合については、中程度の強度と同程度かわずかな向上が見られます。

しかし、著者らの結論としては、80%1RM以上の高強度で得られる追加履歴は小さいと述べられています。

つまり、柔軟性の改善を目的にトレーニングを行うときは

あえて高負荷ではなく、中程度の負荷で行えば十分と言うことになります。

中程度の負荷とは、回数で言うと8~12回程度の反復が可能な負荷をイメージ頂くと良いと思います。(60~80%1RMの強度)

いわゆる筋肥大に最適とされる回数ですね。

しかし、1回の動作に費やす時間が長ければ、

比較的、少ない反復回数でも中程度の負荷となる場合があります。

その様な場合には、ボルグスケール(Borg Scale)を用いて簡単に評価することもできます。

ボルグスケール(Borg Scale)とは運動を行った際に本人が感じる主観的運動強度で、

ちょうど下記の表でいうとことの3~6辺りの強度になります。

ボルグスケール▼

【柔軟性を改善する筋トレ③】:柔軟性を向上させたい方向への動きを取り入れていること

例えば、もも裏の筋肉であるハムストリングスの柔軟性を改善したい場合、

もも裏の筋肉が伸ばされる動作が必要です。

例えば、デッドリフトやシングルデッドリフトのように

動作の中にハムストリングスがストレッチされながら力を発揮する局面がある種目が必要です。

【柔軟性を改善する筋トレ④】:週に3回のペースで継続すること

メタ分析の結果によれば、柔軟性を改善するためには

週3回のペースで継続することの必要性が述べられています。

ここで考えたいのは、背中の日、脚の日、胸の日のように

分割法を採用している場合です。(上半身の日、下半身の日のようにわけて行うケースも分割法にあたります)

疲労回復を考慮して、このような分割法を採用してメニューを組んでいる人も、

柔軟性を向上させたい筋肉については

毎回のメニューに加えていくと良いかもしれません。

柔軟性の改善には、中程度の負荷が効果的であるため、

毎回のトレーニング終了時など体が十分に温まっているタイミングで行うと良いかと思います。

まとめ

最後に、今回のメタ分析をもとに、

柔軟性の向上に最適な筋トレについて整理します。

  • ①可動域いっぱいに動作を行う
  • ②中強度程度の負荷(60%1RM~80%1RM)の負荷で行う
  • ③柔軟性を向上させたい方向への動き(種目)を取り入れていること
  • ④週に3回のペースで継続すること

今回の内容が参考になればうれしいです。

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