筋肉が減少する原因と予防・改善のためにやるべきこと

筋肉が減少する理由は、主に3つあります。
1つは、運動不足によるもの
2つめは、加齢によるもの
3つめは、疾患や炎症によって起こるもの
上記の3つが原因となって筋肉が減少します。
順にそれぞれ解説していき、
最後には予防・改善のためにやるべきことをお伝えしていきます。
筋肉が減少する理由⑴:運動不足によるもの

運動不足によって筋肉の減少がおこることを、廃用性筋萎縮(はいようせいきんいしゅく)と言います。
筋肉を長期間動かさないと、筋肉を減らす為のスイッチが作動してしまいます。
筋肉を減らすスイッチというのは、体の中にある3種類のタンパク質が関係しています。参考
筋肉を減らすスイッチ:1つめのタンパク質「Piezo 1」(ピエゾワン)が反応する
筋肉は長期間使われないと、筋細胞内のカルシウム濃度が低下していきます。
筋肉は力を発揮するときに、カルシウムを使用します。
カルシウムは、筋肉を動かすためのスイッチとして使用されます。
筋肉を使わなくなると、カルシウムの必要量は減少するため、筋肉がカルシウムを取り込む働きが弱まります、
筋肉がカルシウムを取り込む働きを担っているのが、
「Piezo 1」(ピエゾワン)というタンパク質です。
「Piezo 1」(ピエゾワン)は外部からの圧力によって窓のように開いて
細胞の外から中にカルシウムを取り入れるための、窓のような役割を担っています。
しかし、筋肉への刺激が減少することで(運動による刺激が減少することで)、「Piezo 1」(ピエゾワン)の役割が減少すると、
段々と減少していきます。
「Piezo 1」(ピエゾワン)が減少していると筋肉は力を発揮することができなくなります。
この状態は、筋肉の減少を促進してしまうものと考えられます。
筋肉を減らすスイッチ:2つめのタンパク質「KLF-15」(ケーエルエフフィフティーン)が活性化する
先ほどの項目でお伝えしたとおり、筋肉は長期間使われないと、
筋細胞内のカルシウム濃度が低下していきます。
筋肉内のカルシウム濃度が減少すると、「KLF-15」(ケーエルエフフィフティーン)というタンパク質が活性化します。
「KLF-15」は細胞の転写因子です。これは、遺伝子のオン・オフを調節するタンパク質で、
筋肉の分解をする遺伝子にスイッチを入れてしまいます。
この「KLF-15」は筋肉内のカルシウム濃度の減少をきっかけに活性化し増加していきます。
そして、3つのめのタンパク質である「IL-6」(インターロイキンシックス)の分泌が促されます。
筋肉を減らすスイッチ:3つめのタンパク質「IL-6」(インターロイキンシックス)の分泌が促進される
先ほど登場した「KLF-15」によって、「IL-6」(インターロイキンシックス)の分泌が促進されます。
「IL-6」は、ホルモンに似た働きをもつとされる、サイトカインというタンパク質です。
通常は、免疫細胞を活性化させる働きを持っています。
しかし、「IL-6」は過剰に分泌されることで、筋肉を分解させてしまいます。
これが、直接的・かつ強力に筋肉の減少に関わっています。
また、「IL-6」は筋肉を急激に分解させてしまうだけでなく、
筋肉を新しく育てる働き(合成)をブロックしてしまいます。
筋肉の分解を促進してしまい、合成を抑えてしまうことで
筋肉の萎縮が促進されてしまいます。
まとめると、筋肉を動かさないことで、筋肉内のカルシウム濃度が低下し、
これによって、「Piezo 1」(ピエゾワン)→「KLF-15」(ケーエルエフフィフティーン)→「IL-6」(インターロイキンシックス)
という順番で、3つのタンパク質が順に活性化していくことで筋肉が減少してしまいます。
筋肉が減少する理由⑵:加齢によるもの

加齢によって、代謝が低下していくことが筋肉の減少を引き起こす原因となります。
代謝の低下によって、筋細胞の再生能力が低下することで筋肉の合成が追いつかず、筋肉が減少しやすくなります。
また、加齢によって筋肉が萎縮する一方で、
コラーゲンやエラスチンといった結合組織が増加することで、筋肉が硬くこわばってきます(線維化・マッスルフィブローシス)
筋肉が硬くなることで、筋肉が動かしにくくなり、
さらには筋肉の代謝の低下に拍車をかけてしまうことで、筋肉の減少が促進されてしまうのです。
この状態は、年齢とともに疲れやすさを感じたり、
柔軟性の低下を感じる要因とも関連していきます。
筋肉が減少する理由⑶:疾患や炎症によって起こるもの

筋肉が減少する理由には、慢性疾患や、酸化ストレスが原因で起こる場合があります。
疾患や、酸化ストレスによって身体の中で炎症が起こると、
炎症性サイトカインが増大するため、コレが原因となってタンパク質が文化されてしまい筋肉が減少します。
また、筋肉が減少する理由⑴でお伝えした、「IL-6」(インターロイキンシックス)も炎症性サイトカインの1つですが、
これらはタンパク質の合成を妨げてしまうので、筋肉の成長を妨げ、筋肉の減少を促進させてしまいます。
また、トレーニングのやりすぎによる、「オーバーワーク」も筋肉を減少させる原因となります。
オーバーワークは疾患ではないですが、体内で酸化ストレスを引きおこします。
体内で酸化ストレスが起こると、筋肉の細胞膜やミトコンドリア(エネルギーを作る工場)を壊してしまいます。
これによって、先ほど登場した炎症性サイトカインが増加してしまい、
結果的に筋肉の減少を引き越すことになります。参考
筋肉の減少を予防・改善するためにやるべきこと

筋肉の減少は予防・改善することが可能です。
その為の方法は、筋トレです。
筋トレを習慣に行うことが、筋肉の減少を予防・改善できることが多くの研究で示されています。
今更、筋トレなんて、と思われた人もご安心ください。
年齢に関係なく、何歳からでも筋トレを実施することで筋肉を増やすことができます。
筋トレを行うことで、筋肉の減少を引き起こす体の中の炎症を抑えたり、
筋肉の代謝が向上するので、柔軟性の低下を引き起こす古くなったコラーゲンを排泄することができるので
結果的に筋肉を増加させることが可能になります。
ここからは、筋肉の減少を予防・改善するために効果的な
筋トレのポイントをお伝えしていきます。
筋トレは大きな筋肉を中心に行う
筋トレに大切なのは実施する時間よりも、いかに筋肉に負荷をかけられるかが大切です。
筋肉の負荷を挙げるためには、動作スピードをゆっくり行うスロートレーニングがおすすめです。
特別な器具は不要で、基本的には自体重で十分に効果があります。
方法は簡単で、降ろすときに3秒かけて、きついところで1秒停止。
そして上がる時にも3秒時間をかけるというやり方です。
この方法であれば、筋肉に対して適切な刺激を入れやすいほか、
急激な血圧の上昇を抑えながら、高負荷トレーニングを行ったときと同じくらい筋肉を成長させることができます。
10回×3セットを目安に行っていきましょう。
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16339347/
1回あたりの筋トレは短時間でもOK
筋トレに大切なのは実施する時間よりも、いかに筋肉に負荷をかけられるかが大切です。
筋肉の負荷を挙げるためには、動作スピードをゆっくり行うスロートレーニングがおすすめです。
基本的には事態中で十分に効果があります。
方法は簡単で、降ろすときに3秒かけて、きついところで1秒停止。
そして上がる時にも3秒時間をかけるというやり方です。
この方法であれば、筋肉に対して適切な刺激を入れやすいほか、
急激な血圧の上昇を抑えながら、高負荷トレーニングを行ったときと同じくらい筋肉を成長させることができます。
10回×3セットを目安に行っていきましょう。
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16339347/
筋トレを週に2~3回の頻度で実施する
筋トレは毎日行う必要はありません。筋トレで効果を出すためには、週に2回、できれば3回の実施がおすすめです。
これは、筋肉はトレーニングによる刺激を与えた後に、48時間程度の回復する時間を設けたほうが
筋トレを行う前よりも筋肉の繊維が太く、強く成長できるからです。
反対に、毎日毎日追い込むようなトレーニングを行うと、
筋肉が回復する時間が足りず、下手をするとオーバーワークによる筋肉の減少を引き起こすことになります。
まずは週に2回、できれば3回を目安に実施するようにしましょう。※参考:厚生労働省の身体活動・運動ガイド
筋トレの前後にはストレッチを実施する
筋トレで筋肉の代謝を促した後、ストレッチによってコラーゲンなどの結合繊維を伸ばすことで、
エラスチンなどの弾性繊維の変性を防ぎ、柔軟性の改善・向上に効果的です。
柔軟性が向上することで関節の可動域が増加すると、
日常動作でもより多くの筋肉を使うことができるため、
さらに筋肉が成長しやすい環境を整えることができます。
ストレッチは、30秒×2回を目安に行っていきましょう。
まとめ
筋肉は、運動不足・加齢による代謝の低下・疾患や炎症によって引き起こされます。
一度減少した筋肉は、継続的な筋トレの実施によって取り戻すことが可能です。
筋トレを行うときは、ゆっくり行うように意識することで、
動作が安定しやすく、血圧の上昇を抑えることができるので安全に実施することができます。
今後も筋肉の育て方や、筋トレの実施方法に関する内容など発信していきますので
また次回の記事でお会いしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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