柔軟な体をつくるにはストレッチは不要?筋トレのみで柔軟な体を作れる可能性について解説

前回の記事では、筋トレが柔軟性の改善に役立つ可能性についてお伝えしました。

今回は、筋トレとストレッチが、同程度の柔軟性改善効果がある可能性についてお伝えします。

もしも、筋トレとストレッチが同じくらい、柔軟な体をつくる効果が期待できるのであれば、

筋トレをメインに取り入れることで、

筋力、筋肥大、そして柔軟な体のすべてを手に入れられることになります。

加えて、ストレッチに費やす時間を節約することにもなるので

長期的な柔軟な体作りを目指す方にとっても有意義な情報となると思います。

今回は、2023年に発表されたこちらのメタ分析を参考にしています▼

Strength training is as effective as stretching for improving range of motion: A systematic review and meta-analysis.

筋トレはストレッチと同程度の柔軟性改善効果がある

今回のメタ分析によれば、筋トレとストレッチは、同程度の関節可動域の改善効果があることが明らかになりました。

11件のランダム化比較試験を分析した結果、

筋トレのみのグループと、ストレッチのみのグループでは

どちらのグループでも同程度の関節可動域の改善がみられました

筋トレによる関節可動域が改善した理由としては、

  • 伸張耐性(ストレッチトランス)の向上
  • 筋束長の増加
  • 神経学的適応
  • 拮抗筋協調の改善

上記の4つが挙げられています。

言い換えると、

  • ストレッチ時の痛みや不快感に耐えられる「脳(神経系)の耐性」が向上
  • サルコメアが増加して羽状角が小さくなる
  • 脳や脊髄が筋肉の緊張を解くことで可動域が広がる
  • 動かしたい筋肉と逆方向に働く筋肉(拮抗筋)のタイミングと力加減のバランスが整い関節の無駄な力みが取れる

これらの要因によって柔軟性が改善したということになります。

つまり、筋トレを行う過程で筋肉が伸ばされることで、

ストレッチと同じように筋肉や周辺組織の構造が変化し、伸びやすい筋肉が作られると言うことになります。

なお、筋肉の構造変化にはサルコメアの増加と筋束長が関わっていますが、

詳しくはこちらの記事で解説しています。

 柔軟性を向上させる筋トレの条件

ここからは、いよいよ柔軟性を向上させるための筋トレの条件をお伝えしていきます。

条件は全部で3つあると考えられています。

  • 可動域いっぱいに動作を行う
  • エキセントリックトレーニングを取り入れる
  • ボトムポジションでの静止

【柔軟性を向上させる筋トレの条件①】:可動域いっぱいに動作を行う

筋トレの動作は、関節の可動域いっぱいまで動かすことを意識しましょう。

筋トレを関節可動域いっぱいまで動作を行うことで柔軟性の改善に効果があることは、

こちらのメタ分析でも同様に述べられています。

可動域いっぱいに動作を行う筋トレと柔軟になる関節の関係は以下のようになります。

・スクワット→深く腰を下ろす(股関節の伸展、ひざ関節の屈曲、足関節の屈曲の改善)

・ベンチプレス→バーを胸まで下ろす(肩の伸展-内転、肘の屈曲、胸椎の伸展)

・デッドリフト→床から挙げて下ろす(股関節の屈曲)

【柔軟性を向上させる筋トレの条件②】:エキセントリックトレーニングを取り入れる

エキセントリックとは、筋肉が伸ばされながら力を発揮することを言います。

  • スクワットでは腰を下ろしていくとき
  • ベンチプレスではバーを胸に下ろすとき
  • デッドリフトではバーを下ろしていくとき

上記のようなシーンが、エキセントリックな局面になります。

このようなエキセントリックな局面で、時間をかけてゆっくり動作を行うことを

エキセントリックトレーニングといいます。(ネガティブトレーニングともいいます)

ネガティブトレーニングでは、5秒程度じっくり時間をかけて行うことで

筋肉に対して強力なストレッチ刺激を与えることができます。

また、エキセントリック局面では、筋肉は通常の力発揮局面(コンセントリック局面)の1.2倍程度の力を発揮できるため、

高負荷を用いて行う方が効果的です。

また、柔軟性の効果を高めるストレッチとしては、できるだけ高強度で行うほうが柔軟性改善に効果があったことからも※

エキセントリックトレーニングは、高負荷を用いて行う方がよいでしょう。

※参考:Muscle Architecture Adaptations to Static Stretching Training: A Systematic Review with Meta-Analysis

【柔軟性を向上させる筋トレの条件③】:ボトムポジションでの静止

最後の条件は、筋肉が伸ばされたところでの力発揮です。

つまり、ボトムポジションを意識することです。

ボトムポジションは筋肉に対して最も負荷がかかっているタイミングです。

言い換えると、筋肉もっとも引き延ばされている局面になります。

ボトムポジションで一度静止することで、筋肉の負荷が抜けないため

筋力、筋肥大の効果が高いとされています。

ストレッチの強度が高いところで止まると、筋肉が十分に引き延ばされた状態でストレッチ刺激を与えられるので

柔軟性改善の効果も高くなると考えられます。

ボトムポジションでは、1秒から2秒程度静止するようにしましょう。

まとめ

今回は、筋トレがストレッチと同程度の柔軟性改善があることを示したメタ分析をもとに、

筋トレがストレッチの代替えとして活用できることをお伝えしてきました。

柔軟性改善に役立つ筋トレには3つの条件があり、

  • ①可動域いっぱいに動作を行う
  • ②筋肉が伸ばされる動作を5秒程度時間をかけてゆっくり行う
  • ③筋肉が最も伸ばされるボトムポジションで1~2秒停止する

という3つになります。

柔軟性改善に筋トレが役立つのであれば、

筋トレは筋肉を鍛えながら、柔軟な体作りにも効果があるということになります

柔軟性の改善を行いたい人は、今回の内容を今後のトレーニングに活かしてみてください。

お問い合わせフォーム