クロスエデュケーション効果を活かしたトレーニングのポイント

前回の記事ではクロスエデュケーション効果についてお伝えしてきました。
今回では、筋力向上・筋肥大を目的にトレーニングを行う人が、クロスエデュケーション効果を活かしたトレーニングによって得ることのできるメリットと、
効果を引き出すためのポイントについてお伝えしていきます。
クロスエデュケーション効果とは、
片側の手足に対してトレーニングを行うと、
何もしていない側の手足にもトレーニング効果が出るというものです。
クロスエデュケーション効果を活かしたトレーニングで得られるメリット

主なメリットは、身体の左右差の解消です。
基本的には誰でもある程度の左右差があるのが自然です。
しかし、動きの癖や日常生活の過ごし方などあらゆる影響で身体の左右差が大きく開いてしまうことがあります。
少しの左右差であれば大きな問題はありませんが、明らかに開いてしまうと、
スポーツのパフォーマンスを低下させたり、ケガの原因になることがあります。
左右差を整えるには、弱い側の手足の力を向上させなければなりませんが、
ここで役に立つのがクロスエデュケーション効果を活かしたトレーニングです。
クロスエデュケーション効果を活かしたトレーニングのポイント

ユニラテラル種目を選択する
身体の左右差が大きい場合、ベンチプレスやバーベルスクワットのような、両手両足を同時に使う種目を行うと、強い側が弱い側をかばうため、左右差が開く原因になります。
左右差を是正するためには、片側ずつ行うことのできるユニラテラル種目(単関節・片側ずつ動作する種目)を選択します。
おすすめのユニラテラル種目の一例として、次のようなものがあります。
| 部位 | 種目 | ポイント |
| 脚・お尻 | ブルガリアンスクワット/ランジ | 骨盤が傾かないように鏡でチェックして行う |
| 胸・肩 | ダンベルベンチプレス/ダンベルショルダープレス | 弱い側の腕や体幹も強化できる |
| 背中 | ワンハンドダンベルローイング | 肩甲骨のコントロールの左右差を意識しやすい |
| 腕 | インクラインダンベルカール/ワンハンドダンベルキックバック | 降ろす局面でストレッチを感じながらじっくり行う |
弱い側の筋肉からトレーニングを開始する
トレーニングを行うときは、筋力が弱い側(または見た目のサイズが小さい側)から始めます。
弱い側を先に行うことによって、高い集中力を弱い側のトレーニングに向けることができます。
疲れてくるとどうしても集中力が低下していきますので、先に弱い側を選択します。
エキセントリック収縮を意識する
筋肉の動きには、筋肉を縮めるコンセントリック収縮と、筋肉が伸びながら力を発揮するエキセントリック収縮があります。
ウエイトを下ろすときなど、狙った筋肉にエキセントリック収縮が発生するときに、
3~5秒程度、時間をかけて行うようにしましょう。※参考
強い側の筋肉は高強度で追い込む
左右差を是正するためには、一般的には弱い側を追い込まないといけないのではないかと思われるかもしれません。
しかし、クロスエデュケーション効果を活用したトレーニングでは考え方が異なります。
クロスエデュケーション効果とは、トレーニングを行った側と「反対側」の手足にもトレーニングの効果が得られるというものです。
【クロスエデュケーション効果のイメージ図↓】

そのため、強い側を限界まで追い込むことによって、脳の運動野が強く刺激され、
クロスエデュケーション効果によって弱い側の神経系も強制的に活性化されることから、
強い側は高負荷で追い込む方が良いのです。
また、強い側の方が高負荷での怪我のリスクは弱い側よりも少ないため、
安全面の観点からも追い込むべきは強い側の手足なのです。
強い側のトレーニングでは以下の点に注意してトレーニングを行いましょう。
・負荷は最大筋力の80%以上、または8〜10回程度行える負荷で行う
・フォームが崩れない範囲で行う
・動作が困難になったところから追加で2-3回の反復を行う(補助者をつけるか、レストポーズを行う)
高強度トレーニングを行う時は、安全性を重視して行うようにしましょう!
片方の手、または脚で、補助しながら行うのも良いでしょう。
弱い側の筋肉は強度を減らしてフォームを意識してじっくり行う
弱い側は強い側よりも、筋力、持久力、動作のコントロールなどが劣りがちです。
そのため、高負荷で追い込むのは怪我やオーバートレーニングのリスクを高めてしまいます。
そこで、弱い側は重量を少し落とし、以下の点に注意してトレーニングを行います。
・負荷は最大筋力の60-70%、または12〜15回程度行える負荷で行う
・追い込むことよりフォームと動作の正確性を重視する
・動作が困難になったら終了する
弱い側の筋肉は、より丁寧に、ターゲットの筋肉の収縮と伸張を意識して行いましょう。
左右のセット数をそろえる
弱い側の筋肉を早く追いつかせようと、弱い側ばかりのセット数を増やしたくなりますが、疲労が溜まってしまい効率が低下してしまいます。
左右ともに、同じセット数で行うようにして、強い側の高強度刺激による波及効果を狙うようにしましょう。
(例:右を3セット行ったら、左側も3セット行う)
まとめ
今回は、クロスエデュケーション効果を活かしたトレーニングのポイントをお伝えしてきました。
クロスエデュケーション効果を活かしたトレーニングを行うことで、脳からの出力指令(神経ドライブ)が高まるため、左右の筋力差を是正することが可能です。
今回の記事を参考に、是非トレーニングに取り入れてみてください。
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