仙腸関節痛が疑われる場合のテスト法とタイプ診断
仙腸関節痛のテスト法
以下に、仙腸関節痛かどうかを鑑別するためのテスト法を紹介します。※
※テスト法の参考:日本脊椎脊髄病学会新技術評価検証委員会 仙腸関節固定検討ワーキンググループ
ワンフィンガーテスト(指押しテスト)

やり方▼
痛みがある場所をお尻「1本の指」でピンポイントにさせるかを確認します。
このとき、指を指した場所が、PSIS(上後腸骨棘)の周辺を指した場合
仙腸関節痛である可能性が考えられます。
パトリックテスト(FABERテスト)

やり方▼
仰向けに寝て、片方の足のくるぶしを片方の膝の上にのせます。
そのまま膝を外に倒して床に近づけます。
お尻に痛みが出た場合、仙腸関節痛である可能性が考えられます。
ディストラクションテスト

やり方▼
仰向けに寝て、左右のASIS(上前腸骨棘)に両手を当て、外側斜め下に向かって数回圧迫を加えます。
お尻や腰の痛みが再現された場合、仙腸関節に問題がある可能性が考えられます。
仙腸関節圧迫テスト(コンプレッションテスト)

やり方▼
横向きに寝て、骨盤の上から両手で体重をかけて圧迫します。
このとき、仙腸関節の部分に痛みや違和感が再現された場合、仙腸関節痛が疑われます。
上記のようなテストを行って、当てはまる物が多いほど仙腸関節痛の可能性が高いと考えられます。
仙腸関節痛の可能性が高いと判断されたら、次に仙腸関節痛のタイプかを判断するための評価を行います。
仙腸関節痛のタイプを判断する評価
関連記事:仙腸関節痛(せんちょうかんせつつう)が起こる原因と2つのタイプ
次に、仙腸関節痛のタイプを判断するために、次のような評価を行います。
仙腸関節痛のタイプを判断するためには
動作時の痛みを誘発することから始めます。
まずは、動作時の痛みを確認します。
立った状態で、前屈、後屈、側屈、回旋といった4種類の動きを行ってもらいます。
その中で、痛みがでる動きを把握しておきます。

次に、立った状態で仙骨と腸骨を把持して、ニューテーション(あるいはカウンターニューテーション)のいずれかの形に誘導した状態をつくります。
その形を保ったまま、改めて痛みが出る動きを行ってもらいます。
そのとき、ニューテーション、カウンターニューテーションのどちらで痛みが和らぐかを確認します。
痛みが楽になったのが、ニューテーション方向であれば、(仙骨が前傾する方向)
タイプとしては、カウンターニューテーションタイプとなります。
反対に、カウンターニューテーションの方向(仙骨が後傾する方向)に誘導して痛みが楽になるのであれば、
タイプとしてはニューテーションタイプとなります。
少しややこしいと思われたと思いますが、仙腸関節痛のタイプを分類するときは、痛みが楽になった方ではなく、その反対の呼び方をします。
この辺りは、間違えそうになるので注意しましょう。
仙腸関節痛のタイプ
・ニューテーション方向にすると楽になる=カウンターニューテーションタイプ
・カウンターニューテーション方向にすると楽になる=ニューテーションタイプ
では、ここからは、実践の話になります。
仙骨の操作をどのように行うかお伝えしていきます。
仙腸関節の操作
まずは、仙骨ニューテーション(仙骨を前傾方向へ移動する)のやり方からお伝えします。
右の仙腸関節の場合でお伝えします。
まずは、右手で腸骨を、左手で仙骨(お尻の割れ目より少し上)を把持します。
右手で腸骨を後方へ、左手で仙骨を前方へ移動します。
これが、腸骨と仙骨の移動方向になります。
続いて操作の仕方です。
腸骨、仙骨それぞれお伝えします。
仙腸関節の操作:基本の構え
仙腸関節の操作にあたって、基本の手の位置は次の通りになります。

- 右仙腸関節の場合、左手を仙骨(骨盤の真ん中、お尻の割れ目より上)
- 右手を腸骨(腰骨)に当てる
仙骨ニューテーションの操作(右仙腸関節の場合)

- 左手で仙骨の皮膚を上へ誘導する
- 右手で腸骨(腰骨)の皮膚を下(後方)へ誘導する
右の仙骨をニューテーション(前傾)方向へ誘導するためには、
左手で仙骨を上方向に、右手で腸骨を下方向に誘導していきます。
このとき大切なのは、力加減です。
仙腸関節痛を抱えている人にとって、強い力は過度な痛みを引き起こしてしまいます。
そのため、力加減としては優しく、皮膚を動かしていくように行います。
皮膚を動かしていくと、ピタッと動きが止まるところがあるので、そこまできたら手を止めます。
左右の手がとまったところで、仙腸関節がニューテーション方向に誘導された状態ができあがります。
この状態で、痛みの出る動きを行って見て、痛みが軽減するような腸骨があれば、
カウンターニューテーションタイプである可能性が高いと判断できます。
仙骨カウンターニューテーションの操作(右仙腸関節の場合)

カウンターニューテーション方向へ操作を行う際には、仙骨に添える手を下に向けるとやりやすいです。
- 左手で仙骨の皮膚を下へ誘導する
- 右手で腸骨(腰骨)の皮膚を上(前方)へ誘導する
右の仙骨をカウンターニューテーション(後傾)方向へ誘導するためには、
左手で仙骨を下方向に、右手で腸骨を上方向に誘導していきます。
この状態で、痛みの出る動きを行って見て、痛みが軽減するような腸骨があれば、
ニューテーションタイプである可能性が高いと判断できます。


