むくみはどうして起こるのか?むくみの原因と対策について解説します

むくんだ状態=「血管の外」に水分が多く溜まってしまう状態のことです。
そもそも、人間の体の体内の水分は、
大きく分けると3カ所に存在しています。
①血管の中
②細胞の中
③細胞と細胞の間にある隙間(間質液=かんしつえき)
上記の3つになります。
むくんでいる状態というのは、③の細胞と細胞の間にある隙間(間質液=かんしつえき)が増えてしまっている状態のことを言います。

では、この間質液は一体どこから来るのでしょうか?
それは、血管から流れてきます。
体の中には全身に血管が張り巡らされています。
血管は、心臓から体の各器官に向かって流れていく動脈と、各器官から心臓に戻って行く静脈という太い血管に分けられます。
これらの太い血管は、体のいたるところに枝分かれしながら、体の細胞に栄養を届けたり、老廃物を回収するための道路の役割を持っています。
そして、細胞に最も近い部分の血管は、非常に細くて網目状の血管が張り巡らされている「毛細血管」が存在しています。
「毛細血管」は動脈と静脈の間をつなぐように、細かく網目状に張り巡らされています。

毛細血管を拡大していくと、非常に小さな穴がたくさん空いています。
その穴からは、血液の中の水分や栄養素、電解質などが染み出ていきます。
これが、細胞と細胞の間を満たしている間質液という水分になります。
間質液は、細胞が働くためのエネルギーを供給するだけでなく、
細胞内の老廃物を回収する役割も持っています。

回収した老廃物は、心臓の方へと送り返すため、今度は静脈の毛細血管に入ることで心臓に送り返されていきます。
基本的に、老廃物を含んだ間質液の回収は毛細血管の方で行われていきますが、
静脈の毛細血管では、回収が追いつかないことがあります。
ここで活躍しているのが、いわゆるリンパです。
リンパ管は、血管内の下水道のような役割があるため、静脈で回収しきれなかった間質液は、代わりにリンパ管に入っていきます。
リンパ管は、静脈の毛細血管よりも大きな穴が空いているので、間質液の吸収速度が早いという特徴をもっています。

全体の間質液が増える=全体の容積が増加→水圧がかかってパンパンな状態
水圧が上がる状態になると、リンパ管の穴が広がって、間質液がどっと流れていきます。
これによって、毛細血管では回収しきれない量をリンパ管が代わりに回収してくれる形をとっています。
リンパ管は、回収した間質液が逆流することを防ぐための弁が存在しているので、リンパの流れは常に一方通行です。この流れを産み出している原動力は、筋肉の収縮運動です。

血管との大きな違いは、リンパ管には心臓のようなポンプ機能がないため、リンパ管が通っている部分の筋肉が大きく動くことでリンパ管の流れが発生します。
これは、言い換えるとリンパ管だけでは自発的に流れをつくることができないことを意味しています。
つまり、筋肉の動きが少なければリンパの流れは滞ってしまうということです。
リンパの流れがなくなると、新たな間質液を回収することが難しくなります。
結果として、間質液は溜まってしまい、むくみが起こってしまうのです。
押したときに跡が残っている状態というのは、静脈とリンパで、うまく水分を回収できていない状態のことを指しています。

ここまでが、むくみが起こるメカニズムです。
このメカニズムがわかれば、むくみを予防するための対策を打つことができます。
むくみを予防するための対策
むくみを予防するための対策は、
大きく分けると3つあります。
①食事内容に気をつける
②筋肉を動かす
③リンパを流す
①食事内容に気をつける
むくみの原因である間質液の量を減らすためには、食事内容に気をつけることが有効です。
むくんだ状態=水(間質液)が増えている状態
この水(間質液)の量そのものが少なくなればむくんだ状態には陥りません。
では、間質液をどのように減らせば良いかというと、間質液には電解質であるナトリウムが非常に多く含まれています。
ナトリウムは塩分です。
間質液内にある塩分濃度が高くなると、塩分濃度を薄くしようと、新たに水を引き込むことになります。
これによって、塩分濃度は低下しますが、水(間質液)の量自体は増加してしまいます。
結果としてパンパンな状態=むくむという状態となってしまいます。
つまり、1つめの予防策は、食事からの塩分摂取量に気をつけるということです。むくみ対策にとって、塩分の多い食事を控えることは大原則となってきます。
また、塩分摂取量に気をつける一方で、
余分な塩分を排出させるための栄養を補給しておくと効果的です。
塩分を体外へ排出させるためには
主に、カリウム、ビタミンE、ビタミンB群の栄養摂取が推奨されます。
カリウム→ナトリウムを尿と一緒に体外へ出す
フルーツ: バナナ、キウイ、プルーン
野菜:トマト、ブロッコリー、ほうれん草、きゅうり、オクラ
海藻・豆類: わかめ、納豆、えだまめ
ビタミンE→血の巡りを良くし、血流の停滞によるむくみを解消する
ナッツ・種実類: アーモンド
野菜・魚類: かぼちゃ、うなぎ
ビタミンB群→水分代謝やエネルギー代謝をスムーズにし、むくみを防ぐ
肉・魚類: 豚肉、鳥肉、かつお、まぐろ
大豆製品: 豆腐、豆乳
②筋肉を動かす
2つめは、筋肉を動かして間質液の回収速度を上げる
間質液が増えてしまったとしても、回収する速度が早ければ、問題ありません。
ただし、毛細血管の吸収速度はコントロールできません。
アプローチするべきは、リンパ管の吸収速度を上げることです。
そのためには、筋肉を大きく動かすことが非常に大切です。
筋肉の伸び縮みによって、つまり、筋肉のポンプ機能によってリンパ管はながれてくるので、筋肉を動かさないといけません。
筋肉を大きく動かす、ストレッチや運動をすることが非常に重要となってきます。
とくに、心臓から遠い部分にあるふくらはぎの筋肉を働かせることが大切です。
ある研究※では、脚のむくみを持っている人は、筋力、筋持久力が低下していることが明らかになっています。
むくみ対策の1つとして、カーフレイズという、かかとを上げ下げする運動がとてもオススメです。
カーフレイズ▼
カーフレイズのやり方▼ 10回〜15回×3セット
- ①姿勢づくり
- 足を肩幅にひらいて壁や椅子の背に軽く手を添えてバランスをとる
- ②かかとを上げる
- 足の親指の付け根で床を押すようにつま先立ちをして、かかとを上げる
3秒かけて上げる
- ③かかとを下ろしていく
- ゆっくりと重力に逆らうように下ろしていく
3秒かけて下ろしていく
10回〜15回を1セットとして
3セット行いましょう。
セット間の休憩は1分以内にします。
☆ポイント→かかとが床につく手前で止めることで負荷が抜けなくなります。
③リンパを動かして間質液の回収速度を上げる
やさしく圧迫をかけたままトリートメント(流す)も有効な対策になります。
リンパを流すときには、次の3つのポイントを意識して行うと効果的です。
トリートメントのポイント⑴:力加減は皮膚をなでるように優しい力で行う
リンパ管は、皮膚のすぐ下を通っているので、弱い圧迫をかけたまま末端から中心に向かって流してあげましょう。
強く押すと、逆効果です。※
※参考:浅層リンパ浮腫と筋スパズムによる関節可動域制限への触圧覚刺激法
トリートメントのポイント⑵:最初に鎖骨まわりをほぐしておく
鎖骨周りにはリンパの最終地点である静脈角という部分があります。
すべてのリンパが行き着く最終点なので、ここを柔軟にしておく必要があります。
鎖骨の上下を、指先で撫でるようにほぐしましょう。時間は30秒が目安です。
トリートメントのポイント⑶:末端から中心に向かって流していく
リンパの流れは一方向で、末端から中心(心臓)へ流れています。そのため、末端から中心方向に向かって行いましょう。
足・足首→ 両手で足首を包み込み、ふくらはぎに向かって引き上げるように流す
ひざ→ひざ裏を両手で押してほぐす
太もも→太ももの内側を両手で挟み、足の付け根(そけい部)に向かって流す
手・腕→手のひらや二の腕を反対の手で包み、手首からわきの下に向かって流す
上記の3つのポイントを意識してトリートメントを行うことで、リンパ管内の回収速度を高めることが、むくみを予防するための対策となってきます。
関連記事:【リンパ】リンパは体内の下水道!リンパの役割を解説します
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